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【不動産が絡む相続③】賃貸不動産の相続

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賃貸不動産の相続について教えて下さい。 

くり子ちゃん

1 賃貸不動産を相続した者は、通常、賃貸人の地位も併せて承継取得します。

相続人が受け継ぐ賃貸借契約は、賃貸人が替わるだけで、そのほかの権利関係は従来のままです。

2 共同相続によって、賃貸人が複数になる場合もあります。

この場合には、賃貸物を使用収益させるべき債務は、相続人ら各自が不可分に負担します。

また、賃借人は、相続人の1人に対しても、その債務の全部の履行を請求することができます。したがって、賃借人から賃貸人の共同相続人に対する賃借権確認の訴えは、必要的共同訴訟ではないと解されています(最判昭和45年5月22日)。

3 相続によって賃貸人の地位を承継取得した相続人は、以後、賃借人に対して賃料の請求をすることができます。

共同相続人が賃借人に対して有する賃料債権は、不可分債権になります。したがって、賃借人が共同相続人の1人に対してなした賃料全額の支払いは、他の共同相続人に対しても有効な弁済となります(東京地判昭和45年7月16日)。

賃料の請求をする行為は、共有不動産の保存行為(民法252条但書)にあたるため、相続人全員のために、そのうちの1人が賃借人に請求することも法律上有効です。この賃料請求に対して賃借人が支払いに応じない場合には、賃貸借契約を解除することも可能です(同法541条)。