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【不動産が絡む相続⑧】墓地の相続

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墓地を相続する際のポイントについて教えて下さい。 

くり子ちゃん

1 民法897条1項は、「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と規定し、祭祀財産を相続財産から除外して、特別の承継秩序に従わせています。

「墳墓」とは、遺体や遺骨を葬っている設備のことをいいますが、墓地も「墳墓」に含まれると解されています(大阪家審昭和52年1月19日、広島高決平成12年8月25日)。

2 祭祀承継者は、第1に被相続人の指定、第2に慣習、第3に家庭裁判所の指定によって決められます。

3 第1の被相続人の指定の方法には、特に制限はありません。

生前の行為でも、遺言でも、口頭による指定でもかまいません。

裁判例には、被相続人が遺産のすべてである土地建物を後妻との間の長女に贈与した事実が、同女を祭祀主宰者たらしえる被相続人の意向を客観的に具現したものとして、祭祀主宰者の指定の意思を推認することができるとしたものがあります(名古屋高判昭和59年4月19日)。

4 第2の慣習とは、承継が問題となっている当該地方の慣習、被相続人の出身地の慣習または被相続人の職業に特有の慣習などを指します。

5 第3の家庭裁判所が祭祀主宰者を決める基準については、承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具などとの間の場所的関係、祭具などの取得の目的や管理などの経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、利害関係人全員の生活状況および意思などを総合的に判断すべてであるとされています(東京家審昭和46年3月8日)。