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【不動産売買③】強制競売における担保責任

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強制競売における担保責任について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 民法は、「強制競売における買受人は、第561条から前条までの規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる」と規定しています(民法568条1項)。

強制競売も売買の一種ではありますが、裁判所が関与し、権利の実行のために行われるという性格を有していることから、以下の特徴を持っています。

物の瑕疵についての担保責任は認められない(民法570条但書)

強制競売において、買受人はある程度の瑕疵を覚悟していると考えられていることがその理由です。

例えば、評価書に国道に接していると記載された土地を競落したところ通路のない袋地であったという事案において物の瑕疵とみるのが相当であるとし、民法568条1項、566条の類推適用に基づく担保責任が否定されています(札幌地判昭和52年3月8日)。

債務者が無資力の場合の債権者に対する代金返還

債務者が無資力の場合、代金の配当を受けた債権者に対してその代金の全部または一部の返還を請求できます(民法568条2項)。

買受人は債務者に対する代金減額請求が認められますが(同条1項)、競売に至る債務者には資力がないのが普通なので、債権者に対する代金減額請求によって、買受人の保護を図る特則です。

例えば、建物に対する強制競売の手続において、建物のために借地権が存在することを前提として建物の評価及び最低売却価額の決定がされ、売却が実施されたことが明らかであるにもかかわらず、実際には建物の買受人が代金を納付した時点において借地権が存在しなかった場合(競売直前に解除されていた)、買受人は、そのために建物買受けの目的を達することができず、かつ、債務者が無資力であるときは、民法568条1項・2項及び566条1項・2項が類推適用され、強制競売による建物の売買契約を解除した上、売却代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の返還を請求することができます(最判平成8年1月26日)。

損害賠償の否定

強制競売の担保責任については、損害賠償請求は認められていません。

もっとも、債務者が権利の瑕疵を知りながら申し出なかったときや、債権者がそれを知りながら競売を請求したときは、例外的に、買受人はそれぞれ債務者・債権者に対して損害賠償の請求ができるものとされています(民法568条3項)。