ホーム > 不動産問題Q&A > 不動産売買 > 【不動産売買④】瑕疵担保責任の「瑕疵」の意味

【不動産売買④】瑕疵担保責任の「瑕疵」の意味

Pocket

瑕疵担保責任の法的性質および「瑕疵」の意味について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 特定物の売主の瑕疵担保責任は、売買の目的物に原始的な瑕疵が存在するため売買契約がその給付不能の範囲において無効であることを前提とする法定の無過失責任です(東京地判平成16年10月28日)。

2 「瑕疵」の判断については、売買契約締結当時の取引観念を斟酌して判断すべきであるとされています(最判平成22年6月1日)。

3 最高裁は、不特定物の売買において給付された物に瑕疵のあることが受領後に発見された場合、買主が瑕疵担保責任を問うなど瑕疵の存在を認識したうえで給付を履行として認容したと認められる事情が存在しない限りは、買主は完全履行請求権を有し、また、当該不完全履行が売主の責めに帰すべき事由に基づく場合には、債務不履行の一場合として損害賠償請求権及び契約解除権をも有すると判示しています(最判昭和36年12月15日)。

4 「瑕疵」には、物理的欠陥だけでなく、心理的欠陥も含まれます。

心理的欠陥とは、目的物の通常の用法に従って利用することが心理的に妨げられるような主観的な欠陥を指します(東京地判平成21年6月26日)。

したがって、例えば、建物の内部で自殺があったということも「瑕疵」にあたると解されます(大阪高判昭和37年6月21日、横浜地判平成元年9月7日)。

また、近隣に暴力団事務所があることも「瑕疵」にあたると解されます(東京地判平成7年8月29日)。

5 また、「瑕疵」は、物質的な瑕疵だけでなく、法律的な障害がある場合も含まれます(最判昭和41年4月14日、東京地判平成20年10月24日、東京地判平成20年1月18日、東京地判平成19年5月24日)。

例えば、建物建築目的の土地の売買において、土地に都市計画法、建築基準法等による建築制限があり、契約で意図する建物を建てることができない場合が考えられます。

6 「瑕疵」の有無は、売買の目的たる「物」について判断されなければなりません。

最高裁は、建物とその敷地の賃借権が売買の目的とされた事案につき、「賃貸人の修繕義務の履行により補完されるべき敷地の欠陥をもって賃貸人に対する債権としての賃借権の欠陥ということはできない」として、瑕疵担保責任の追及を否定しています(最判平成3年4月2日)。