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【不動産賃貸⑤】賃貸人が破産したのですが・・・

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建物の賃貸人が自己破産の手続をしていることがわかりました。賃貸借契約はどうなってしまうのでしょうか。また、賃借人である私は、どうしたらよいでしょうか。

くり子ちゃん

ご質問のケースについては、破産法56条1項に以下のような規定があります。

「第53条第1項及び第2項の規定は、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を設定する契約について破産者の相手方が当該権利につき、登記、登録その他の第三者に対抗することができる要件を備えている場合には、適用しない。」

これだけ読んでも何のことかさっぱりわかりませんね。

破産法53条1項は、双務契約について破産手続開始前に双方が未履行である場合は、破産管財人は、契約の解除をし、または破産の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができると規定しています。

この破産法53条1項の規定は、賃貸借契約には適用しないというわけですね。

つまり、破産管財人は、建物の占有によって対抗力を有している賃借人(借地借家法31条)に対して、賃貸借契約を解除することは許されないことになります。

そのため、賃借人は、賃料を原則として破産管財人に対して支払っていくことになります

(しかし、抵当権の物上代位による差押があれば、その差押が優先します。)

このように、通常の賃貸借の場合、賃貸人が破産したからといって、直ちに明渡しを迫られるということはありません