ホーム > 不動産問題Q&A > 不動産賃貸 > 【不動産賃貸⑦】以前、自殺者が出た部屋とは説明されなかったのですが・・・

【不動産賃貸⑦】以前、自殺者が出た部屋とは説明されなかったのですが・・・

Pocket

私が今、住んでいる賃貸マンションの部屋で、以前、自殺者が出たと近所の人から聞きました。私がこの部屋を借りる際、そのようなことは一切説明を受けませんでした。このようなことを説明する義務はないのでしょうか?

くり子ちゃん

結論から申し上げますと、賃貸人は、以前、自殺者が出たことを説明する義務があります。

これは「瑕疵担保責任」の問題ですが、自殺者が出たということが「隠れたる瑕疵」にあたるかが問題となります。

「瑕疵」とは、契約の目的物が通常保有する性質を欠いていること(欠陥)をいいますが、この欠陥には設備が破損している等の物理的欠陥のみならず、建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景等に起因する心理的欠陥等も含まれるとされています。

この点、以下の裁判例が参考になります。

居住用マンションの売買において、約6年前にその部屋で自殺があったという事例で、裁判所はその事由を法律上の瑕疵と認定し、契約の目的を達成できない場合にあたるとして、契約解除を認め、売主に対し手付金返還・損害賠償を命じました(横浜地裁平成元年9月7日判決)。

この裁判例によれば、ご質問のような事情があるときは、契約締結の意思決定に重要な事情であると思われますから、それを説明する信義則上の義務があると考えられます。

賃貸人としては、この点についての説明を欠くと、賃借人が被った損害の賠償を求められる可能性がありますので、注意が必要です。