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【不動産賃貸⑪】入居者が貸室で商売をしているのですが・・・

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入居者が貸室で商売をやっているようです。賃貸借契約上、商売をやることを前提としていませんので、契約違反を理由に解除したいのですが、可能ですか。

くり子ちゃん

賃借人は、契約によって、あるいは目的物の性質によって、定まった使用方法によって、賃借建物を使用収益しなければなりません(用法遵守義務、民法616条、594条1項)。

賃借人が用法遵守義務に違反した場合、債務不履行責任を問われることになり、契約の解除が問題となります。

しかし、賃借人に契約違反があっただけで直ちに、賃貸人が賃貸借契約を解除できるわけではありません。

違反行為によって、契約の基礎にある当事者間の信頼関係が破壊されたといえる程度になった場合にはじめて契約の解除が許されることになります。

では、いかなる場合に「信頼関係が破壊された」といえるのでしょうか。

例えば、住居を宗教団体の教会として使用したケースについて、契約の解除を認めたもの(大阪地裁昭和39年12月16日判決)やアパートの賃借人が、いわゆるテレクラの商売を始めたケースについて、契約の解除を認めたもの(東京地裁昭和63年12月5日判決)などが考えられます。

これに対し、アパートの賃借人が、住居で学習塾を開設したが、生徒数が少なく、建物を毀損するようなこともなかったというケースについて、裁判所は、契約の解除を認めなかったものがあります(東京高裁昭和50年7月24日判決)。

これらの裁判例を参考にすると、ひんぱんに人が出入りして騒々しくなり、風紀上の問題が生じ、また、建物の居住環境が乱されたり、建物自体を損傷するような営業が行われている場合には、賃貸借契約に特記しない限り、賃貸借の解除事由になりうると思われます。