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【不動産賃貸⑫】火の不始末による失火事故の責任は?

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私は建物の賃貸人なのですが、先日、賃借人の火の不始末により失火事故が起きてしまいました。私は、賃借人に対して、損害賠償を請求できますか。

くり子ちゃん

まず、失火責任法によれば、失火者に重大な過失(重過失)がないときは、失火者は失火の責任を負わないことになっています。

しかし、この法律があっても、賃貸借契約上の債務不履行と解される過失による失火があれば、失火者はその契約の相手方に対して、契約上の責任として、賠償責任を負います(大審院明治45年3月23日判決)。

ですから、賃貸人であるあなたは、賃借人の過失(不注意)を主張・立証すれば、賃借人に対し、債務不履行による損害賠償請求できます。

賠償可能な損害の範囲は、失火と相当因果関係の範囲内にある損害です。

したがって、賃借人の借りている部屋のみならず、建物全体に延焼した場合には、それらの損害賠償請求も認められる可能性があります。

例えば、4階建てのビルの借家人の失火により、ビルの大部分の焼損による補修費用の負担が認められた裁判例があります(大阪地裁昭和54年3月26日判決)。