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【不動産賃貸⑬】転借人の失火事故について賃借人も責任を負うの?

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転借人が先日、失火事故を起こしました。私は賃借人ですが、私も転借人の失火事故の責任を負うのでしょうか。

くり子ちゃん

まず、失火事故の責任については、【不動産トラブル(賃貸)⑫】をご参照下さい。

転借人の失火により、賃借建物が毀損または焼失した場合で、転貸借について賃貸人の承諾がないときには、転借人は賃借人(転貸人)の履行補助者と考えられて転借人の過失は転貸人の過失と同視され、賃借人は債務不履行に基づく損害賠償責任を負うことになります。

これに対し、転貸借について賃貸人の承諾がある場合については、裁判例が分かれています(今のところ、最高裁判決はありません)。

まず、かなり古い判例では、承諾転貸の場合でも、無断転貸の場合と同様に賃借人は転借人の失火について損害賠償責任を負うとしています(大審院昭和4年6月19日判決)。

しかし、最近の判例では、承諾転貸については、転借人に過失がある場合で、賃借人に転借人の選任・監督に過失のあるときにのみ、賃借人は債務不履行に基づく損害賠償責任を負うとしています(東京地裁平成元年3月2日判決)。

東京地裁の判決は、賃借人は、転借人が賃借建物を作業所として使用し、建物内でアルコール等引火性の強い危険物を貯蔵・使用するなどし、また転借人が喫煙することを知っていたにもかかわらず、特に火気への注意を喚起するなどの措置を講じなかったことに照らし、賃借人に選任・監督についての過失を認めています。