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【不動産賃貸⑯】賃料の増額請求をしたのですが、賃借人が応じてくれません。

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賃借人に対して賃料の増額請求をしたのですが、賃借人が応じてくれません。何かよい方法はありますか。

くり子ちゃん

賃貸人は、賃借人に対して、建物の賃料が、土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増加により、土地もしくは建物の価格の上昇その他の経済事情の変動により、または近傍同種の建物の賃料に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、将来に向かって建物の賃料の増額を請求することができます(借地借家法32条1項)。

これらは、あくまでも例示であり、要するに、それまでの賃料を維持することが賃貸人・賃借人間の賃貸借契約上不相当になった場合には増額請求ができる、ということです。

もっとも、一定期間賃料を増額しないという特約がある場合には、その期間は増額請求はできません(借地借家法32条1項但書)。

増額請求権は、「形成権」という法的性質をもつもので、賃貸人から賃借人に対してその意思表示をした場合、それが賃借人に到達すれば適正賃料の範囲内でその効果が発生します

したがって、賃借人の承諾はいりません

これに対し、賃借人が増額請求に不服があり、話し合いをしても合意に至らない場合には、最終的には裁判所の判決で確定することになります。

では、判決が確定するまでの間、賃借人はどうすればよいのでしょうか。

借地借家法32条2項によれば、賃借人は「相当と認める額」の賃料を支払えばよいことになっています。

なお、この相当と認める賃料とは、これまでの賃料よりも低い金額であってはなりません

ところで、この相当と認める賃料の支払方法ですが、賃貸人が、増額した賃料でなければ受け取らないと、予め主張している場合、賃借人としては、まずは口頭の提供(いつでも支払いができるように準備してその受領を催告すること)をした上で、法務局に供託をするのがよいでしょう

このようにしておけば、賃借人は、債務不履行の責任を免れることができます。