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【不動産賃貸⑰】供託金の還付と取戻しはどうやってやるの?

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供託金の還付や取戻しはどのようにすればいいですか。また、賃貸人・賃借人の話し合いがつくまでは、還付の請求はできないのでしょうか。

くり子ちゃん

1 弁済供託がなされた場合、被供託者は、法務局に備え付けの用紙(供託金払渡請求書)により、その供託金を受領することができます。

これを供託金の還付といいます。

供託者は、被供託者が供託金の還付を受けるまでは、原則として、いつでも供託金を取り戻すことができます。

ただし、取り戻すことができるのに取り戻さないときには、その取戻権は10年で時効消滅すると解されています(最高裁昭和45年7月15日判決)。

2 賃貸人が賃料の増額を請求したところ、賃借人がこれを争い、賃貸人の受領拒否を理由に従前の賃料を供託する場合があります。このような供託が長期間継続すると、賃料により生計を立てている賃貸人は、生活に困ることになります。

そこで、賃貸人が賃借人との話し合いがつきそうもないため、やむなく供託金の還付請求をして受領した場合、後日、供託金を上回る増額賃料を主張して残額を請求できるかが問題となります。

この点、判例では、賃貸人において何らの留保をつけないで供託金を受け取ったときは、それ以上の金額を残額として請求できないとしているため(最高裁昭和33年12月18日判決)、供託金額を賃料として認めることになりますので注意が必要です

したがって、賃貸人が供託金以上の金額を増額賃料であると主張して供託金を受領する際には、無条件で受領せずに、供託金額が増額賃料の一部弁済である旨の留保の意思表示(これを「留保付きの還付請求」といいます。)をして受領する必要があります。

具体的には、賃貸人が、供託した賃借人に対し、供託金額を増額賃料の一部弁済として受領するから供託所を送付するよう求めた通知書を送った場合(最高裁昭和36年7月20日判決)などの場合には、留保付きの還付請求をしたと認められます。