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【競売手続⑦】債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに設定された共同抵当権の実行による不動産競売事件における同時配当の方法

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債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに設定された共同抵当権の実行による不動産競売事件における同時配当の方法について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 民法392条1項は、同時配当のときには各不動産の価額に応じて債権の負担を按分するものとし、同条2項は、異時配当のときには先順位の抵当権者が代価から債権全部の弁済を受けることができるが(同項前段)、次順位の抵当権者は、先順位の抵当権者が1項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、当該抵当権者に代位して抵当権を行使することができる(同項後段)としています。

2 もっとも、判例・多数説は、債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに共同抵当権が設定されている場合においては、民法392条2項後段の適用はないとし、債務者所有不動産につき先に配当が実施された場合には、債務者所有不動産の後順位抵当権者が物上保証人所有不動産について代位することを否定し、逆に物上保証人所有不動産につき先に配当が実施された場合には、物上保証人が、民法500条、501条により、求償権の範囲内において、共同抵当権者が債務者所有不動産に対して有していた抵当権について代位し、債務者所有不動産の後順位抵当権者に優先して配当を受ける(ただし、物上保証人所有不動産の後順位抵当権者が存在する場合には、同後順位抵当権者が、物上保証人に移転した抵当権から物上保証人に優先して配当を受けられます。)ことを認めています(最高裁昭和44年7月3日判決、最高裁昭和53年7月4日判決、最高裁昭和60年5月23日判決)。

3 これに対し、債務者所有不動産と物上保証人所有不動産とに共同抵当権が設定されている場合において、同時配当が実施されるときの民法392条1項適用の有無や、具体的な配当の方法については、これを明確に判断した最高裁判例はなく、裁判所により異なる判断が示されています。

例えば、大阪地裁平成22年6月30日判決は、民法392条1項の適用を否定し、まず債務者所有不動産の代価から先に共同抵当権の被担保債権に配当し、不足が生じる場合に物上保証人所有不動産から配当をすべきであると判示しました。

これに対し、東京地裁平成25年6月6日判決は、民法392条1項の適用を肯定しました。