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【不動産が絡む相続⑨】相続人不存在の場合の不動産の相続

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相続人不存在の場合の不動産の相続について教えてください。

くり子ちゃん

1 相続が開始したにもかかわらず、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とされ(民法951条)、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求により、相続財産管理人を選任します(同法952条1項)。その後、相続人の捜索の公告等の所定の手続を経ても、相続人や相続債権者等の存在が判明しなかった場合には、特別縁故者に対する相続財産の分与が検討され、それでも処分されずに残ってしまった相続財産は、最終的に国庫に帰属します。

2 相続人不存在の場合において、相続財産の中に不動産がある場合、以下のように扱われます。

第1に、相続財産の中の不動産の名義を相続財産法人名義にしておきます。

第2に、相続財産のなかに現金や預貯金がないために、債権者への弁済ができない場合、相続財産管理人は、相続財産中の不動産を任意に売却して、この売却代金をもって債権者への弁済にあてることがあります。

不動産の任意売却は権限外の行為についての家庭裁判所の許可の審判を得る必要があります(民法953条、28条)。その際、家庭裁判所は、最低売却価額を定めます。

第3に、不動産も特別縁故者に対して分与される相続財産となりえます。

第4に、被相続人が不動産の共有持分を有していた場合、この共有持分も特別縁故者に対して分与される財産の対象になります(最高裁平成元年11月24日判決)。

第5に、特別縁故者に対する分与がなされず、不動産が残ってしまった場合、不動産は国庫に帰属することになります(民法959条)。相続財産管理人は、不動産の所在地を管轄する財務局長等に対して実測図等の必要書類を添付して不動産引継書を提出します。