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【不動産賃貸⑱】賃借人死亡後の賃料支払義務は誰が負うの?

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賃借人が死亡し、賃料の支払いが止まりました。賃貸人である私としては、誰に賃料を請求できるのでしょうか。

くり子ちゃん

まず、建物の賃借人が死亡した場合、その地位は相続されると解されています。

以下、遺産分割の前後に分けて説明します。

1 遺産分割前の場合

遺産分割前の場合には、賃借人の地位は共同相続人全員に帰属しています。

賃料は、不可分債務であると解されているので、賃貸人は共同相続人それぞれに対して賃料全額の支払いを請求できます(民法430条、432条、大審院大正11年11月24日判決)。

なお、賃借人の死亡前の滞納家賃については、相続人にとって不可分な利益の対価とはいえず、一般の金銭債務にほかなりませんから、当然に分割され、法定相続人がその相続分に応じてこれを承継することになります(最高裁昭和34年6月19日判決)。

2 遺産分割がなされた場合

遺産分割がなされ特定の相続人が賃借権を承継することになった場合には、借家関係はその者に承継されることになるので、相続開始後の賃料の請求や解除はその者に対して行うことになります

なお、滞納家賃については、前記のように当然に各相続人に分割承継されますので、遺産分割に際して相続人間で債務の帰属についてこれと異なる合意をしても、賃貸人としては、合意と関係なく各相続人に対して法定相続分に応じた額の請求をすることができます。