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【不動産賃貸㉖】家主に備品・設備の買取りを請求したいのですが・・・

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私は、飲食店用の店舗の1室を借り手、和食のお店を営んでいます。調理台、レンジ、食器棚、空調、ボイラーなどの設備一式を自分の費用で設置しました。賃貸借契約が終了したときに、家主にこれらの備品・設備の買取りを請求できますか。もちろん、これらを設置することについては、家主の同意を得ています。

くり子ちゃん

今回のご質問で問題となっているのは、「造作買取請求」ができるか否かです。

借地借家法33条は、借家契約が終了した場合において、借家人が家主の同意を得て建物に付加した造作、あるいは借家人が家主から買い受けた造作について、借家人が家主に対して時価で買い取るように請求することができると規定しています。

「造作」と認められるためには、次のような性質がなければなりません。

建物に設置されたもののうち、建物から取り外したら役に立たなくなるもの

建物を使用するのに客観的に役立つもの

借家人の所有物といえるもの

なお、借家人が建物に付加したものでも、建物から取り外すことができず、建物に附合する(民法242条)と解されるもの(たとえば、張り替えた床板など)は造作ではなく、有益費償還請求の対象となります。

本件の場合、これらの要件をみたすと考えられるため、家主に対して造作買取請求をすることができそうです。

もっとも、平成4年8月に施行された借地借家法では、借家人と家主が、あらかじめ借家契約終了時に造作買取請求権を行使しないという特約を結んでいた場合には、造作買取請求はできないこととなっています(借地借家法33条、37条)。

通常の賃貸借契約書には、造作買取請求権を放棄する旨の規定が入っています。

まずは、契約書を確認してみてください。

なお、旧借家法では、当事者の合意により、造作買取請求権は排除できないとされていた(旧借家法6条)ため、借地借家法施行前に締結された借家契約については、当初の契約に造作買取請求権を放棄する特約があっても、借地借家法施行後に改めて造作買取請求権を放棄する旨の特約を結ばない限り、借家人はなお造作の買取請求ができるとされていますので、注意が必要です。