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【不動産賃貸㉗】家主に対してベランダの手すりの修理費用は請求できますか?

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現在、賃貸マンションの5階に住んでいます。ベランダの手すりが壊れて危ないので、家主に修理を依頼したのですがなかなか応じてくれないので、自分で修理をしました。修理にかかった費用は15万円ですが、これを家主に請求することはできますか。なお、賃貸借契約書には、「必要費及び有益費は借家人の負担とする」と書かれています。

くり子ちゃん

まず、ベランダの手すりの修理費用は、「必要費」にあたります。

借家における必要費とは、建物の原状を維持保存し、あるいは原状回復するために通常必要となる費用のことをいいます。

借家人が必要費を支出し、家主がその出費を免れたことにより、直ちに償還請求権が発生します(民法608条1項)。

それでは、必要費を借家人の負担とする特約がある場合、このような特約も有効なのでしょうか。

この点について、家主の必要費の償還義務を免除する特約も有効であるとするのが判例です。

しかし、特約の効力は無限定ではないと考えられます。

すなわち、借家人が目的物の使用収益に必要な修繕のための費用を支出した場合には、その修繕の種類・程度によって結論は異なると考えられます。

借家の使用によって通常生ずる破損で修繕費用が比較的少額で済む小修繕の範囲を超える修繕(大修繕)の費用については、特約によっても借家人の負担とすることはできないとされています。

したがって、この限度において、家主の必要費償還義務を免除する特約は無効であり、借家人は費用の償還請求ができると解されます。

本件のご質問のケースですが、ベランダは建物の主要構造部分であり、その手すりの修繕に15万円の費用がかかっていますから、もはや小修繕とはいえないと考えられます。

よって、特約があっても、家主に費用の償還請求をすることができると考えられます。