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【マンショントラブル⑧】共用部分の不当利用行為・不当毀損行為とは?

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共用部分の不当利用行為・不当毀損行為の具体例を教えて下さい。

くり子ちゃん

共用部分とは、①専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物、③4条2項の規定により共用部分とされた附属の建物(規約共用部分)を指します。

共用部分を不当に利用する行為・毀損する行為は、共同の利益に反する行為に該当します。

1 不当利用行為

不当利用行為は、共用部分の性質、構造に反する使用です。

管理組合の承諾を得ずに、共用部分であるバルコニーや廊下に設備を設置したり、増築を加えたりした場合には、設置物を撤去し、あるいは、原状回復の義務を負います。

例えば、バルコニー上の設置物については、建物増築部分撤去(東京地裁平成21年1月29日判決)、サンルーフ撤去(京都地裁昭和63年6月16日判決)、パラボラアンテナの撤去(東京地裁平成3年12月26日判決)、大理石の撤去(東京地裁平成18年8月31日判決)がそれぞれ認められています。

廊下や共用部分の空間については、共用部分の空間地のクーラーの屋外機の撤去(横浜地裁川崎支部昭和59年6月27日判決)、中庭において仕切り壁・衝立、業務用冷蔵庫等の撤去(東京地裁平成22年6月8日判決)、花壇柵等の構築物撤去(東京地裁平成23年8月25日判決)、廊下の防犯カメラの撤去(費用請求)(東京地裁平成20年7月4日判決)、廊下に設置した自転車、段ボール、プラスチックケースなどの動産撤去(東京地裁平成22年10月28日判決)、避難通路出窓の撤去(東京地裁平成22年12月10日判決)がそれぞれ認められています。

また、不当に外観を変更する行為も不当利用行為にあたります。

外壁を周囲と異なる色に塗装すること、外壁に看板をボルトで取り付けること、屋上に広告塔を設置するなどが、不当外観変更行為にあたります。

2 不当毀損行為

共用部分を毀損する行為としては、例えば、換気装置を設置するために建物の外壁に円筒状の開口部を設置したことにつき復旧工事が命じられた事例(東京高裁昭和53年2月27日判決)、ガス風呂釜を設置するために構造上の共用部分である壁中部分に穴を開けて配管配線をした区分所有者に対する復旧工事請求が認められた事例(東京地裁平成3年3月8日判決)等があります。

3 不当利用行為・不当毀損行為の否定例

これらに対し、マンションの強度に及ぼす影響は小さく、美観についてもさほど違和感がないとされた外壁に貫通孔を通し給湯器を設置した工事(東京地裁平成22年9月30日判決)、外壁にボルトを用いて設置してはいるが、建物の躯体の強度に影響を及ぼすおそれがあるとまでは認められない看板の設置(東京地裁平成23年7月11日判決)、外壁部分のクーラー室外機の設置等(東京地裁平成18年8月31日判決)について、共用部分の不当利用・毀損行為となることが否定されています。