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【マンショントラブル⑨】多数決原理と少数者保護の調整

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共用部分の変更などの決議をする場合、区分所有法は少数者の保護についてどのような配慮をしていますか。

くり子ちゃん

区分所有法では、規約の設定・変更・廃止、共用部分の変更、共用部分の管理について、多数決の原理を採用する一方で、多数意見に反対する少数者の保護も図っています。

すなわち、規約の設定・変更・廃止が、一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない、共用部分の変更、共用部分の管理を決議するについて、専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときはその専有部分の所有者の承諾を得なければならないとされています。

「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、規約の設定・変更・廃止の必要性および合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、区分所有関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいうものとされています(最高裁平成10年10月30日判決)。

つまり、承諾を必要とする区分所有者は、規約の設定・変更・廃止、共用部分の変更や管理によって、影響を受ける区分所有者のうち、相当程度重大な影響を受ける区分所有者に限定されるわけです。

このような程度にまで至らない軽微な影響にすぎない場合は、承諾を得る必要はありません。

区分所有者の承諾が必要な場合でありながら、承諾を得ていないときは、決議の効力はなく、決議を実行することはできません。