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【マンショントラブル⑩】占有者(賃借人)の権利義務

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占有者(賃借人)の権利義務について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 占有者(賃借人)の権利

① 集会出席権、意見陳述権

占有者(賃借人)は建物等の使用方法に関して、後述するとおり、区分所有者と同一の義務を負いますから、集会出席権および意見陳述権が認められています(44条1項)。なお、議決権の行使は認められていません。

ただし、集会出席権および意見陳述権が認められるのは、占有者(賃借人)が会議の目的たる事項につき法律的な利害関係を有する場合(例えば、建物等の使用方法、行為差止(停止)請求、解除・引渡し請求が議題となる場合)に限られます。

他方、共用部分の修理や管理経費、駐車場料金増額が議題となる場合等は、占有者(賃借人)に法律的な利害関係はなく、集会出席権および意見陳述権は認められません。

② 規約等の閲覧

占有者(賃借人)は、規約や集会決議の拘束を受けますから、規約・集会議事録・全員合意書面等を閲覧することができます(33条2項、42条5項、45条4項)。

2 占有者(賃借人)の義務

① 共同の利益に反する行為をしてはならない義務

② 建物・敷地・附属施設の使用方法につき、規約・集会決議の遵守義務

占有者(賃借人)が従わなければならないのは、建物・敷地・附属施設の使用方法に関する事項のみです。

したがって、例えば、規約または集会決議で、管理経費の支払義務が定められたとしても、占有者(賃借人)は拘束されません。

なお、6条1項は、区分所有者に対し、自らが共同の利益に反する行為をしてはならない義務を負わせているとともに、専有部分を占有者(賃借人)に使用させている場合には、占有者(賃借人)に共同の利益に反する行為をさせないようにする義務をも負わせていると解釈されます。

したがって、占有者(賃借人)に規約等に関する違反行為があるときは、ほかの区分所有者は、専有部分を賃貸している区分所有者(賃貸人)に対し、占有者(賃借人)の違反行為をやめさせるように請求することができます。また、区分所有者(賃貸人)が占有者(賃借人)の違反行為を放置している場合には、区分所有者(賃貸人)に対して損害賠償を請求することもできます