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【マンショントラブル⑭】競売請求

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義務違反者に対する競売請求について詳しく教えて下さい。

くり子ちゃん

1 主体

区分所有者全員または管理組合法人(59条1項)。区分所有者個人は請求できません。

2 請求内容

区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合、またはその行為をするおそれがある場合であって、共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、集会の決議に基づき、訴えをもって、区分所有者および敷地利用権の競売を請求することができます(59条1項)。

3 競売請求が認められた事案

① 暴力団組長が占有使用している事案(京都地裁平成4年10月22日判決、名古屋地裁昭和62年7月27日判決)

② 暴力団組織関係者の行動が、ほかの区分所有者の共同生活の障害となっている事案(札幌地裁昭和61年2月18日判決)

③ 長期にわたって管理費を滞納するなどの態度を取り続けていた事案(東京地裁平成22年11月17日判決、東京地裁平成22年10月21日判決、東京地裁平成22年4月27日判決、東京地裁平成22年1月26日判決、東京地裁平成22年7月15日判決、東京地裁平成21年5月13日判決、東京地裁平成21年3月18日判決、東京地裁平成21年2月13日判決、仙台地裁平成20年11月25日判決、東京地裁平成20年8月29日判決、東京地裁平成20年5月8日判決、東京地裁平成19年11月14日判決、東京地裁平成18年7月12日判決、東京地裁平成17年10月12日判決、東京地裁平成17年5月13日判決、東京地裁平成13年8月30日判決)

④ 組合業務に継続的に非協力的な態度をとり続けていた事案(横浜地裁平成22年11月29日判決)

⑤ 管理費の滞納に加え、区分所有者の子が奇声、騒音、振動を発するなどの異常な行動を取り続け、管理組合の設備清掃点検を拒絶していた事案(東京地裁平成17年9月13日判決)

*東京高裁平成14年1月23日判決では、管理組合法人が管理費を滞納している区分建物所有者の専有部分を競売により買い受けることができると判断しています。

4 区分所有権の譲受人に対する競売請求

区分所有建物の所有権者であるAが管理組合法人に対して多額の未払管理費及び遅延損害金を負担し、その支払をしないことから、管理組合法人は、Aに対して競売請求の訴えを提起し、その認容判決を得たが、その判決確定前にAが本件建物の共有持分5分の4をYに譲渡した事案について、最高裁平成23年10月11日判決は、「競売請求は、特定の区分所有者が、区分所有者の共同の利益に反する行為をし、又はその行為をするおそれがあることを原因として認められるものであるから、訴訟の口頭弁論終結後に被告であった区分所有者がその区分所有権及び敷地利用権を譲渡した場合に、その譲受人に対して同訴訟の判決に基づいて競売を申し立てることはできないと解すべきである」とし、Yに対する競売を認めないという決定を下しました