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【境界確定・所有権確認⑩】境界と時効取得の関係は?

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隣地との境界線がはっきりしないまま、長年にわたり土地を使用してきました。ところが、先日、境界杭が地中から発見され、それによると、私が使用してきた土地は、隣地の所有地だったことがわかりました。私としては時効取得を主張したいのですが、境界線との関係はどうなりますか。 

くり子ちゃん

1 まず、土地を時効取得するための要件は、①他人の土地を20年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有を継続した場合か、②10年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有を継続し、自分に所有権があることを信じ、かつ信ずることに過失がない場合です(民法162条)。

また、時効は当事者が援用しなければ効力は生じません(民法145条)。

2 裁判例には、多数の関係者がいる事案で、境界確定協議に同意し、確定図に署名押印したことから、土地所有権確認請求訴訟において、原告が取得時効の援用をすることは、信義則上許されず、時効援用権を喪失したと認定したものがあります(東京地判平成12年2月4日)。

3 時効取得が認められるのは、あくまでも土地の所有権であり、公法上の境界(筆界)は時効取得により影響を受けません