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【境界確定・所有権確認⑪】公共用地を時効取得することはできる?

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長年使用してきた土地の一部が、市道の一部であることが明らかになりました。私としては、時効取得を主張しようと思っていますが、認められるでしょうか。 

くり子ちゃん

1 公共用地とは、直接一般公衆の共同の使用に供されるものをいい、道路、河川、公園などがそれの例です。

2 公共用地について時効取得が認められるかについて、最高裁は、公共用水路の事案において、「公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が阻害されるようなこともなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなった場合には、右公共用財産については、黙示的に公用が廃止されたものとして、これについて取得時効の成立を妨げないものと解するのが相当である」と判示しています(最判昭和51年12月24日)。

3 また、最高裁は、里道の事案についても同旨の判断を示しています(最判昭和52年4月28日)。

4 もっとも、公共用財産の性格上、時効取得を安易に認めてしまっては、将来の行政目的の達成が阻害されるおそれが出てきます。

そのため、下級審の裁判例は、黙示の公用廃止は、時効取得を主張する者の占有開始時前に、既に認められなければならないとしています(福岡地小倉支判昭和58年4月28日、東京高判平成3年2月26日、大阪高判平成4年10月29日)。

5 なお、現在は、まだ公共の用に供されていないものの、将来特定の公共の目的に供されることが定まっている物を予定公物といいますが、最高裁は、この予定公物についても時効取得の可能性を認めています(最判昭和44年5月22日)。