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【近隣トラブル⑥】通行地役権とは?

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通行地役権とはどのような権利ですか。

くり子ちゃん

1 地役権は、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利であり、賃借権のような債権ではなく物権です。

便益を受ける土地を「要役地」、便益に供せられる土地を「承役地」といいます。

2 地役権は、通常、地役権を設定する旨の契約により成立しますが、譲渡相続時効によっても取得することができます。

地役権設定契約は、当事者の口頭による約束でも成立しますが、将来の紛争を回避するためにも契約書を作成することをおすすめいたします。

3 地役権設定契約は、無償とすることもできますが、現実には有償とするのが一般的です。

また、存続期間については、永久することも可能ですが、一般的には、年数を定めます。

4 通行の態様については、自動車での走行等が問題となります。

この点、契約書で規定されていない場合には、設定の合意の前提になった当時、行われていた本件道路の通行の態様、方法等を基礎として定められるべきであるとされています(東京高判平成4年11月25日)。

5 契約当事者間であれば、登記をしなくても、契約内容に従った地役権の主張ができますが、例えば、承役地の所有権が第三者に譲渡された場合、登記をしておかないと、原則として第三者に主張することができず、隣地を通行することができなくなってしまいます。

したがって、地役権設定契約を締結した場合には、登記をすることをおすすめいたします。

もっとも、実務上は、地役権について登記をしているケースはそれほど多くはありません。

そこで、最高裁は、①通行地役権の承役地が譲渡された場合において、譲渡の当時、承役地が要役地の所有者によって、継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、②譲受人がそのことを認識していたか、または、認識することが可能であったときは、譲受人は通行地役権が設定されていることを知らなかったとしても、特段の事情がない限り、地役権の登記がなされていないことを主張することはできないと判示しました(最判平成10年2月13日)。