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【不動産が絡む相続⑬】不動産を現物分割する場合の注意点は?

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遺産分割協議の結果、土地を相続人3名で共有することにしようと思うのですが、何か注意すべきことはありますか。 

くり子ちゃん

1 一般的には、不動産を共有することはおすすめはしません。

後々、共有者間で感情的なもつれが生じ、共有物分割請求訴訟に発展するおそれがあるからです。

遺産分割後に相続人の1人が、共有物分割請求をした場合には、土地を共有すると決めた遺産分割協議が無意味になってしまいます。

このような状況が想定されることから、共有による遺産分割は紛争の先送りであると批判されるわけです(東京高決平成2年6月29日)。

2 それでもなお、土地を相続人3名で共有するのでしたら、遺産分割協議書又は別途合意書により、共有物分割請求を制限する条項を入れておくことをおすすめします。

共有物の不分割特約は、5年以下の期間であれば許されます(民法256条1項但書)。

この不分割特約は、更新することができます。その期間は、更新の時から5年を超えることができません(同条2項)。

3 共有物の管理方法について、民法は以下のとおり規定しています。

保存行為

保存行為とは、財産の現状を維持する行為のことです。

例えば、家屋の修繕等がこれにあたります。

保存行為は、各共有者が単独ですることができます(民252条但書)。

管理行為

管理行為とは、共有物の利用行為及び改良行為のことを指します。

例えば、共有物を目的とする賃貸借契約の解除などは管理行為となります(最判昭和29年3月12日、最判昭和39年2月25日)。

管理行為については、共有者の持分価格の過半数で決めることととなります(民252条本文)。

変更行為

変更行為とは、共有物を加え、共有権者の使用権限を制限する結果を招くことを指します。

例えば、共有物を取り壊したり、増改築したりする場合、売却する場合などがこれにあたります。

変更行為については、他の共有者の同意を得なければなりません(民251条)。