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【不動産が絡む相続⑯】抵当権が設定されている不動産の代償分割

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被相続人にローンが残っており、抵当権が設定されている不動産について、代償分割をする場合の注意点を教えて下さい。

くり子ちゃん

1 被相続人の債務があり、その担保のために不動産に抵当権が設定されている場合には、不動産を取得する相続人が債務を負担することとして、その債務全額分を不動産の評価額から差し引くことが考えられます。

しかし、債務は各相続人に、その法定相続分の割合に応じて帰属するので、債権者から不動産を取得した相続人以外の相続人に請求があり、請求を受けた相続人が債務の弁済をした場合には、不動産を取得した相続人に求償できる旨を遺産分割協議書に記載しておく必要があります。

2 また、この場合、代償金は不動産の購入代金ではないということに注意する必要があります。

すなわち、例えば、Aが遺産分割協議に従いBに対して代償金を交付してマンションを自己の所有にした場合は、Aがこのマンションを相続開始の時に単独相続したことになり、共有の遺産につき他の相続人であるBからその共有持分の譲渡を受けてこれを取得したことにはなりません。

マンションは、Aが所得税法60条1項1号の「相続」により取得した財産に該当することになり、Aがその後にこれを売却したときの譲渡所得の計算に当たっては、Aが相続前から引き続き所有していたものとして取得費を考えることになるため、AがBに支払った代償金を相続財産の取得費に算入することはできません(最判平成6年9月13日)。

よって、Aが1人で譲渡所得税を負担することになってしまいます。

以上の理由から、このような場合には、税負担も考慮して代償金を算定する必要があることに注意してください。