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【不動産売買⑩】売主の説明義務

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不動産の売主の説明義務について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 不動産取引において、売買契約の売主に説明義務が課される場合があることは争いがないところです。

2 説明義務の根拠は、売主が専門家であるか否かにより、その根拠が異なります。

すなわち、①売主が宅建業者の場合には、宅建業法により、重要事項説明の義務が定められています(同法35条)。

同規定は、行政法規ではありますが、行政的な規制にとどまらず、民事的にも、宅建業者に一般的な説明義務を課していると解されています(東京高判昭和57年4月28日)。

②次に、売主が非宅建業者であっても、消費者契約法における事業者である場合には、消費者契約法3条1項が適用されることになります。

同項は、「消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない」と定めています。

③最後に、①にも②にも該当しない売主については、信義則(民法1条2項)に基づいて説明義務を負うと解されます。

3 売主の説明義務違反の法律構成について、裁判例では、不法行為と構成するものが多いです(大阪高判平成11年9月30日、名古屋高判昭和54年12月11日、東京地判平成20年6月4日、東京地判平成20年1月18日等)が、売買契約における付随義務違反と解して、債務不履行と構成する裁判例もあります(東京高判平成15年9月25日、東京高判平成2年1月25日、大阪高判昭和58年7月19日等)。

また、このほか、売主の説明義務違反について、契約締結上の過失と構成する裁判例もあります(東京地判平成19年11月6日、横浜地判平成9年4月23日)。

4 売主の説明義務違反には、①誤った情報を提供すること、および、②情報を提供しないこと、の2つの態様があります。