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【建築紛争⑥】欠陥住宅と居住利益控除の当否

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新築住宅の瑕疵が重大で、安全性を欠いた欠陥住宅であったため、建物の建替えに要する費用相当額を損害賠償請求しようと考えています。このような場合、私たちがこれまで当該建物に居住していたという利益(居住利益)について損害額から控除されることはありますか。 

くり子ちゃん

1 ご質問いただいた点については、最判平成22年6月17日が参考になりますので、ご紹介いたします。

最高裁は以下のとおり判示しました。

「売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において、当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには、上記建物の買主がこれに居住していたという利益については、当該買主からの工事施工者等に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできないと解するのが相当である。」

「また、Xらが、社会経済的な価値を有しない本件建物を建て替えることによって、当初から瑕疵のない建物の引渡しを受けていた場合に比べて結果的に耐用年数の伸長した新築建物を取得することになったとしても、これを利益とみることはできず、そのことを理由に損益相殺ないし損益相殺的な調整をすべきものと解することはできない。

2 以上のとおり、最高裁は、居住利益について損害額から控除することを否定しています。