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【近隣トラブル⑩】袋地通行権者が通行できる場所とは?

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袋地通行権者が通行できるのは、具体的には、他人の土地のどこですか。また、一度通行場所が決まった後で、通行場所を変えることはできますか。 

くり子ちゃん

1 【近隣トラブル⑨】でも解説しましたとおり、通行の場所および方法は、通行権者にとって必要であり、かつ囲繞地のために最も損害の少ないものを選ばなければなりません。

具体的な通行の場所や方法を決める基準としては、社会の一般常識に照らし、付近の地理的状況や、袋地所有者と囲繞地所有者双方にとってのメリット、デメリットなど、様々な事情を考慮して判断されます。

また、通行の場所は、必ずしも公道への最短距離によるべきではなく、通行される囲繞地と公道の接続が容易であるかどうか、それまでにも私道として利用されていた場所かどうかなどを考慮して、囲繞地所有者にとって最も損害の少ない場所によるべきものであると判断した裁判例があります(高松高判平成元年12月13日)。

これまで私道として利用されてきた経緯がある場所であれば、一般的にはそこを通行場所とするのが囲繞地所有者にとって最も負担が少ないといえるので、そこが通行場所とされることが多いです。

2 いったん通行場所が決まった場合でも、その後、袋地や囲繞地の利用のしかたが変化した場合(例えば、囲繞地所有者が建物を建築しこれまでの通路が通行には不適当となった場合)などには、通行場所が変わることがあり得ます

裁判例でも、囲繞地所有者が、常識的な利用の範囲内で囲繞地の使用方法を変えるときには、袋地通行権者が通行できる場所を、囲繞地のためにより損害の少ない他の場所に移動することもあり得るとして、通行場所の変更を認めたものがあります(福岡高判昭和50年5月12日)。