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【建築紛争⑦】建築基準法には適合するが契約に違反する場合の瑕疵の存否

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マンション建築工事を行うにあたり、契約図面には300mm×300mmの鉄骨柱を使用することになっていたのですが、実際の施工では、250mm×250mmの鉄骨柱を使用していました。
この250mm×250mmの柱を使用して施工しても構造計算上は問題ありません。このような場合、本件建物に瑕疵があるといえるでしょうか。 

くり子ちゃん

1 ご質問いただいた点については、最判平成15年10月10日が参考になりますので、ご紹介いたします。

最高裁は以下のとおり判示しました。

「本件請負契約においては、上告人及び被上告人間で、本件建物の耐震性を高め、耐震性の面ではより安全性の高い建物にするため、南棟の主柱につき断面の寸法300mm×300mmの鉄骨を使用することが、特に約定され、これが契約の重要な内容になっていたものというべきである。そうすると、この約定に違反して、同250mm×250mmの鉄骨を使用して施工された南棟の主柱の工事には、瑕疵があるものというべきである。」

2 このように、最高裁は、物理的な瑕疵のみならず、契約情の約定違反についても瑕疵に該当する場合があることを認めています。

もっとも、設計図書と食い違う工事をした場合に、無条件に瑕疵に該当するというわけではありません。

上記のとおり、同判例の事案では、「南棟の主柱につき断面の寸法300mm×300mmの鉄骨を使用することが、特に約定され、これが契約の重要な内容になっていた」という特殊な事情があることに留意する必要があります。