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【建築紛争⑫】調査費用

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建物に瑕疵があった場合、瑕疵の調査に要した費用は、どこまで損害として認められますか。 

くり子ちゃん

訴訟準備等において一級建築士などに鑑定調査を依頼することは建築紛争では立証上必要不可欠だといえます。

それゆえ、調査費用は、概ね損害として認められています。

ただし、以下のように判示する裁判例もあることに留意する必要があります。

①横浜地判平成16年9月30日

建築業者に対して地盤改良工事を含む建築請負工事を委託したところ、不同沈下やひび割れが生じたとして、注文者が修補に代わる損害賠償請求をした事案で、基礎の補修工事費用は認めたが、調査費用152万3100円の請求については、訴訟提起前の紛争審議会の補修提案を被告が受諾しようとしたにもかかわらず、原告がこれを拒絶して訴えを提起したものであるから瑕疵と相当因果関係のある損害とはいえないとして否定した。

②東京地判平成4年12月21日

建物の建築につき注文者との間で工事の監理契約を締結した者の債務不履行責任は、建築請負人の瑕疵担保責任が除斥期間(2年)の経過によって消滅した時にはそれと同時に消滅するとして、除斥期間の経過したものについての損害賠償請求を否定した。ただし、調査費用と弁護士費用について除斥期間の経過により消滅するものではないが、請負人が調査に応じる姿勢を示していたにもかかわらずこれを注文者が拒絶していたことから、損害との間の相当因果関係がないとして否定した。

③神戸地判平成14年11月29日

瑕疵の主張立証のために建築し並びに設計会社に調査を依頼して188万6000円を要したが、建築士らの意見が100%正しかったものとは言えないこと、調査が100%訴訟の主張立証に役立ったものとは認められないことなどを考慮して3分の2の120万円の限度で被告の不法行為と相当因果関係のある調査費用の損害として認めた

④東京地判昭和44年3月8日

基礎工事、柱工事の不具合により建物にひずみが商事、台風により屋根がとばされるなどの結果を生じた瑕疵について修繕費相当額の損害賠償を認めたが、工務店に修繕見積りのために支払った「現場写真撮影費」について修繕工事のために必ずしも必要とは言えないとして認めなかった。