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【不動産売買⑱】青田売りと売主の説明義務

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青田売りを行う際の売主の説明義務について教えて下さい。

くり子ちゃん

1 新築マンションについて、建物完成前に、完成後の建物の売買を行うことがあります。これを青田売りといいます。

青田売りでは、売買契約締結の時点において売買の目的物が存在せず、買主は、目的物を実際に見ることなく、購入する点に特徴があります。

そのため、裁判例では、売主には「売買予定物の状況について、その実物を見聞できたのと同程度にまで説明する義務」(大阪高判平成11年9月17日)、あるいは「販売物件に関する重要な事項について可能な限り正確な情報を提供して説明する義務」(福岡地判平成18年2月2日)があるとして、厳格な説明義務が課されています。

なお、新築マンションの売主は、説明義務違反があれば、買主に対して、損害賠償義務を負いますが、売主が一定の説明を行った場合に、説明どおりの物を給付する義務まで負うかは、別の問題です。

大阪高判平成11年9月17日は、販売員が、新築マンションの販売に際し、二条城の眺望が広がると説明した事案において、「本件居室から二条城の眺望が広がると説明したことは虚偽の事実を説明したものであるが、この説明が本件居室を二条城の眺望が広がるような高い位置に作る債務を負担したものとは考えられない」として、説明通りの物を給付する義務は認められませんでした。

2 青田売りの場合、買主は、契約締結時に新築住宅の実物を見ることができないため、パンフレット、チラシ、モデルルームが重要な役割を担うことになります。

そのため、パンフレット、チラシ、モデルルームによって売主から買主に対して売買の内容をなすものとして示された事項も、売主の売買契約上の義務であり(福岡地判平成3年12月26日)、あるいは、瑕疵の有無の判断基準となります(東京地裁平成20年9月19日、東京地判平成19年4月20日)。

もっとも、パンフレットに記載した内容であっても、単にイメージを提供したものであり、イメージと完成した建物の差異が合理的な範囲を超えない程度であれば、売主の契約違反は否定されます(東京地判平成20年4月11日)。